2018.02.03 23:11道具の危機〜漆かんな職人のお話〜神楽坂フラスコギャラリーのイベントで日本でただひとりの漆かんな職人『プロフェッショナル~仕事の流儀』にも出演された、中畑文利さんのお話を伺ってきました。漆カンナとは漆掻き道具の一種で漆を採る時に漆の幹に傷をつける専用の道具です。これがないと漆は取れないのですが漆掻き職人によって癖や使い方が違うので使いやすいように微調整が必要独特で相当な熟練技が必要なのだそう。安価な化学塗料製品に押され漆を採取する...
2016.09.23 23:55二辺地付け一辺地付けした全面にさらに目の細かい二辺地の粉を混ぜた漆をへらで二辺地付け乾かして砥石で研ぐ二辺地研ぎも終えました。研ぐ=研磨することによって表面を平らにし細かな傷をつけて次の漆をぴたっと接着させることができるのです。だから輪島塗は酷使しても漆がはげたなどというはまずありえません。
2016.09.13 09:40一辺地付け先日ご紹介した《地の粉》を用いて下地工程がいよいよ始まり「一辺地付けが終わったよ」と輪島からのご報告。一辺地粉、二辺地粉この工程ではまず一番目の粗い一辺地粉を混ぜた漆を塗ってまいります。
2016.09.09 02:25新iPhone7のジェットブラックiPone7の新色《ジェット ブラック》はまさに漆黒それも呂色仕上げの漆の美しさを再現した艶やかな黒 いわゆる《ピアノ・ブラック》輪島塗でも最終工程の呂色仕上げこの特別な水研ぎと磨きの工程を経ると鏡のような輝きがもたらされます。呂色仕上げ専門の職人さんが存在するほど緻密な熟練の技が必要です。
2016.09.06 02:56わじま地の粉輪島塗の象徴ともいえる輪島地の粉(じのこ)は能登半島の小峰山で採取される風化珪藻土の一種を焼成粉末にしたもの。ご存知のとおり珪藻土は多孔質なので漆と結びつくことで木地に密着し地の粉を混ぜた下地漆を何度も塗っては研ぐことで大変丈夫な塗膜となってくれるのです。 工程が進むごとに混ぜる地の粉の粒子も粗いものから細かなものへ一辺地、二辺地と変えていきます。
2016.08.31 22:07惣身地付けさて《布着せ》のあとは布着せの際に生じた重なりあいの部分を小刀で丁寧に削って平たくする《着せもの削り》そして木地と布着せの境目をなくすため惣身漆(そうみうるし)という生漆と地の粉と木の粉を混ぜたものをヘラで塗っていきます。
2016.08.17 01:11布着せ布着せ(ぬのきせ)の工程が完了しました。布着せは輪島塗の特徴的な技法のひとつで木地の傷みやすい部分例えばお椀なら縁や底に布麻布や綿布(寒冷紗・かんれいしゃ)を貼りつけて強化していきます。
2016.08.12 23:43木地固めさて、木地固めを無事終えました。木地固めとは漆を塗る最初の工程で生漆という乳白色の漆を全体に擦り込み木地の強度を高めていきます。「漆が木地へみるみる染み込んでいく様子はまるで漆そのものが喜んでいるようでな。」これは塗師から聞いたとても印象深いお話のひとつ
2016.08.07 23:02うるしのはなし漆とは、ウルシの木からにじみ出る樹液ウルシの木は、枝が折れたり動物などに傷つけられたときに傷を守ろうとして漆という樹液を出すのですがそれはまさに人間にとっての血。漆は、ウルシの木の命なのです。十数年かけて育てられたウルシの木から漆掻き職人さんが鎌で幹に傷をつけにじみ出る漆液を集めるのですが一本の木から採れる漆は1シーズンでわずか200グラムほど。これは輪島塗ですとお椀8個ほどをやっと作れる量で漆の...