上塗り



124の工程を要する輪島塗の

クライマックスともいえる上塗りは

一切の塵埃をよせつけない為に

細心の注意が払われ

塗師蔵と呼ばれる専用の部屋で行われます。






目に見えない程の埃も残さないよう

最上の漆を吉野和紙で漉す《漆漉し》

艶やかな漆がしたたる瞬間は感動的で

今でも目に焼き付いています。







人の髪の毛で作られた何種類もの漆刷毛を

巧みに使い分けて塗り上げます。

作家の命ともいえるこの道具も

作る人が高齢化・激減し絶滅危惧なのだそう

伝統工芸が抱える大きな問題の一つ。






前回すでに申し分ない美しさだった中塗りから

更に研ぎ上げた下地になめらかに塗られる光景


この時はお椀の上塗りでしたが

貴重な撮影をさせていただきました。






約6ヶ月の時を経て

ようやく完成した酒盃たち

Less is more

という言葉がぴったりな美しさで

いくら眺めていても飽きません。


お渡しする日まであと少し

子どもたちにもそうしていたように

毎日とびきりいい音楽を聴かせています。






お客様には大変お待たせしましたが

輪島塗の見た目の麗しさや感触とともに

124の手間、作り手の想い

600年の歴史、文化

そして漆の時間軸に思いを寄せていただきながら

この先も可愛がって育てていただけたら幸いです。


ご一緒に成長記録ならぬ工程記録を

興味深いとブログをご覧くださった皆さま

本当にありがとうございました。


感謝をこめて

YUI JAPAN

うるしのある 麗しいくらし

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