うるしのはなし
漆とは、ウルシの木からにじみ出る樹液
ウルシの木は、枝が折れたり
動物などに傷つけられたときに
傷を守ろうとして
漆という樹液を出すのですが
それはまさに人間にとっての血。
漆は、ウルシの木の命なのです。
十数年かけて育てられたウルシの木から
漆掻き職人さんが鎌で幹に傷をつけ
にじみ出る漆液を集めるのですが
一本の木から採れる漆は
1シーズンでわずか200グラムほど。
これは輪島塗ですと
お椀8個ほどをやっと作れる量で
漆の一滴がどれほど希少で
貴重なものなのかが計り知れます。
漆は強い接着力と
艶やかな光沢をもっていますが
うるしの語源は「うるわし(麗し)」とも
「うるむ(潤む)」ともいわれており
水に濡れたようなみずみずしい
漆の艶やかさを表しています。
写真は、祖父の形見の中次
うるしの麗しさがあふれていて
見る度にうるうるしてしまう私です。
うるしは木のいのち
漆は自然からの偉大なるギフトなのです。
0コメント